日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1, p. 34-44
(2006)
技術報告 BWR核
設 計 コ ー ドに よ るMOX臨
界 試 験EPICUREお
MISTRALの 石井
一 弥1,*,伏 井 筒
見
解析
篤1,日
定 幸2,笹
よび
野
川
哲 士1,丸
勝2,岩
山
田
博 見2,
豊3
Analysisof Mixed Oxide Fuel Critical Experiments EPICURE MISTRAL
and
with Nuclear AnalysisCode for BWR
Kazuya ISHII1,*,Atsushi FUSHIMI1, TetsushiHINO1, Hiromi MARUYAMA2, Sadayuki IZUTSU2, Masaru SASAGAWA2 and Yutaka IWATA3 1Power& Industrial SystemsR & D Laboratory , Hitachi, Ltd.,7-2-1 Omika-cho, Hitachi-shi, Ibaraki 319-1221,Japan 2-Global NuclearFuel -JapanCo.,Ltd.,2-3-1 Uchikawa,Yokosuka-shi, Kanagawa 239-0836,Japan 3Hitachi Works,Hitachi, Ltd.,3-1-1 Saiwai-cho, Hitachi-shi, Ibaraki 317-8511,Japan (ReceivedJune 6,2005 and acceptedinrevisedform November 8,2005) For fuel
the purpose
critical
ENDF/B the
nuclear
2D
void
square
data
worth
paper
the
KEYWORDS: tors,
keffs
of the
absorber
agreed
with
those
of the
power values
MOX,
nuclear
for the
critical
analysis
code,
were
distributions of the
uncertainties. accuracy
MISTRAL
method
critical
worth
same
analysis
file. The
experimental
give
nuclear
and
of radial
reactivity
nearly
of the
EPICURE
experiments
differences
calculated thin
of verification
experiments
between
absorbers, These
UO2
results
experiment, nuclear
and
nuclear
worth
experiments,
reference
experiments
water indicate
the
for mixed
using
calculation
the
cores
of BWR
analyzed
MOX
EPICURE,
and
hole
and
that
oxide
design the
water
within
measurement the 2D
the
cores, HINES
hole
agreed
analysis
almost
less
the
method
我 が 国 に お い て,ウ
緒
of BWR
experimental
っ て,こ
料 の 軽 水 炉 で の 利 用 が 計 画 さ れ て い る。 一 方, 水 炉 に 装 荷 さ れ て い る ウ ラ ン 燃 料 に お い て も,ウ
Puの
のTCA解
析 精 度 が,ウ
ラ ン ・プ ル トニ ウ ム 混 合 酸 化 物
(MOX)燃
analysis,
MOX燃
験 の ほ か に,EPICURE試
が あ る 。 こ れ ら の 試 験 は,フ EOLEを
寄 与 が 大 き い燃 焼 末 期 に お い て も,
寄 与 が 小 さ い 燃 焼 初 期 と同 じ よ う に 安 全 に 原 子 炉 を
向 上 の 観 点 か ら,さ
type
実 施 さ れ たTCA試
行 っ て き た1)。 そ の 結 果,ウ る 臨 界 固 有 値 は0.1%Δk以
核 特 性 評価 に対 す る
構(NUPEC)と
れ ま で に 日本 原 子 力 研 究 所 で
高 減 速 全MOX炉
(株)グ ロ ー バ ル
・ニ ュ ー ク リ ア
3
(株)日 立 製 作 所
日立 事 業 所
*
Corresponding
author
, E-mail:
界 質 量,出
定により
入 手 して い る。 これ 力 分 布,吸
収 材 価 値,
に 述 べ たTCA試
験 解 析 に 引 続 き,さ
に 核 設 計 手 法 の 検 証 を 進 め る 目 的 で,BWR核
・ジ ャ パ ン
に よ りEPICURE試 た 。 本 報 で は,そ
[email protected] C Atomic Energy Societyof Japan
の共 同研 究 とし
験 は,MISTRAL試
ボ イ ド価 値 な どが 測 定 さ れ た 。
・電 機 開 発 研 究 所 ・フ ユ エ ル
験 は,(財)原 子 力 発 電 技 術 機
よ り実 施 さ れ た も の で,協
らの 試 験 に お い て は,臨
本 研 究 で は,先 2
プル
心 を 対 象 と した 試 験,
そ の 試 験 デ ー タ の 一 部 をNUPECが
心 にお け
験2∼4)
心 を 対 象 と した試 験 で あ
フ ラ ン ス 原 子 力 庁(CEA)と
験 よ り 以 前 にCEAに
設 計 コー ドに よ り
記 のTCA試
ラン スの 臨 界試 験 装置
て 実 施 さ れ た 。 ま た,EPICURE試
内 で 一 致 し,径 方 向 出 力 分 布 も
電 力
設 計 手 法 の解
心 とで 同 等 で あ る こ と が
験2)お よ びMISTRAL試
る 。 こ の う ち,MISTRAL試
設 計 に対 す る 信 頼 性
ラ ン 炉 心 とMOX炉
1 (株)日 立 製 作 所
reac-
用 い て 実 施 さ れ た も の で,EPICUREは
MISTRALは
ら に核 設 計 手 法 の 検 証 を進 め る こ とは
験 の 解 析 をBWR核
wi-
present
内 で一 致 した。 したが
サ ー マ ル 炉 心 を 模 擬 した 部 分MOX炉
れ ま で の 運 転 実 績 に よ り確 認 さ
重 要 で あ る。 そ の 目的 で,こ
The
values
料 を 用 い た 臨 界 試 験 と し て は,上
達す
れ て い る とい え る 。 し か し な が ら,核
2.0%.
確 認 で きた。
焼末
核 設 計 手 法 の 妥 当 性 は,こ
mean
析 結 果 か ら も,BWR核
生 成 さ れ,燃
運 転 で きて い る 。 し た が っ て,Puの
than
in the
BWR
ラ ン 炉 心 とMOX炉
核 分 裂 反 応 へ の 寄 与 割 合 は 約60%に
る 。 こ れ ま で も,Puの
and
root
cores. MISTRAL,
言
ラ ン の 燃 焼 に 伴 い プ ル トニ ウ ム(Pu)が
with
characteristic
現 在,軽
期 に お け るPuの
MOX
The
measured
計 算 値 は 測 定 値 と平 均 自 乗 差1%以 I.
and
CERES
experiments
0.1%Δk.
with
UO2
and
worth
about were
void
nuclear
(MOX) codes
34
験 お よ びMISTRAL試
ら
設 計 コー ド 験 を解 析 し
の 解 析 結 果 に つ い て 述 べ る。
BWR核
II.
設 計 コー ドに よるMOX臨
界試 験EPICUREお
試 験 で は,Fig. 試 験 の 概 要 燃 料 棒1本 1. 試 験 装 置 EPICURE試
よびMISTRALの
倍 率),径 験 お よ びMISTRAL試
子 力 庁(CEA)カ
験 は,フ
ラン ス原
ダラ ッシ ュ研 究 所 に設 置 さ れ て い る臨 界
試 験 装 置EOLEを
用 い て 実 施 さ れ た 。EOLEの
ク は 直 径 約1m,高
さ 約1mで
あ り,燃
炉 心 タン
料棒は格子板に
解析
35
1, 2に 示 し た 基 準 体 系 に お い て,中
を 吸 収 材 に 置 換 し た 体 系 で,臨 方 向 出 力 分 布,吸
元 ボ イ ド価 値 試 験 で は,Fig.1,
準 体 系 に お い て,中
界 質 量(実 効 増
収 材 価 値 が 測 定 さ れ て い る。
解 析 対 象 と し た 吸 収 材 は,UO2-Gd2O3お あ る 。2次
央の
央 の7×7の
よび 天 然B4Cで 2に 示 し た 基
領 域 の 燃 料 棒 に つ い て,
燃 料 棒 に 厚 い オ ー バ ー ク ラ ッ ドを装 着 す る こ と に よ りボ イ
よって固定 され る。運 転時 には炉 心 タン ク内に軽 水 が満 た さ れ,そ
の 水 位 は 燃 料 棒 有 効 長 の 上 端 か ら 上 方 約20cm
の 位 置 に保 た れ る 。 臨 界 調 整 は,燃 行 わ れ,微
料棒 本数 や 減速 材 中の ホ ウ素濃 度 に よ り
小 な 反 応 度 調 整 は 微 調 整 棒(pilot rod)に よ り行
わ れ る 。 炉 停 止 用 に4体 て い る が,通 EPICURE試 棒 は,被
の ク ラ ス タ型 安 全 棒 が 設 置 され
常 の 運転 時 では 全引 抜 きされ てい る。 験 お よ びMISTRAL試
覆 管 外 径9.5mmの
尺 化 し た も の で あ り,燃 UO2燃
8.7wt%お
あ る 。 ま た,必
MOX燃
心 とMH1.2炉
各 炉 心 の 特 徴 をTable
心 を対 象 とした。
1に 示 す 。 こ れ らの 炉 心 は,燃
棒 ピ ッチ を 現 行PWRと
同 じ1.26cmと
あ る。UH1.2
料棒 の み で構 成 し た ウ ラン 均 質 炉心 で あ 心 は,炉
心 中 央 部 に 富 化 度7.0wt%の
料 棒 を 装 荷 し た 領 域 を 設 け,そ
料 棒 を装 荷 した 部 分MOX均 の 炉 心 構 成 をFig. MOX燃
1,2に
料 棒 とUO2燃
の 周 り にUO2燃
1
Fig.
2
Core
configuration
of EPICURE
UH1.2
configuration
of EPICURE
MH1.2
心 にお け る
料 棒 の本 数 はほ ぼ 同数 であ る。 収材 価値 試
元 ボ イ ド価 値 試 験 を 解 析 対 象 と して 選 択 し た 。 基
準 体 系 試 験 で は,Fig.
1, 2に 示 し た 体 系 に お い て,臨
界
質 量(実 効 増 倍 率),径
方 向 出 力 分 布 が 測 定 さ れ て い る。 臨
界 質 量 の 測 定 で は,微
調 整 棒 を 全 引 抜 き と した 若 干 臨 界 超
過 の 状 態 で,余 は,他
Fig.
質 炉 心 で あ る。 こ れ らの 炉 心 示 す 。MH1.2炉
実 施 さ れ た 試 験 の 中 か ら,基 準 体 系 試 験,吸 験,2次
料
した均 質 炉心 で あ
り,水 素 対 重 金 属 原 子 数 比(H/HM)は3.7で 炉 心 は,UO2燃 る 。MH1.2炉
化度
料棒 も使用 して いる。
験
本 解 析 で は,UH1.2炉
MOX燃
あ る。
料 棒 の 全Pu富
要 に 応 じ,全Pu富
よび4.3wt%のMOX燃
2. EPICURE試
料 棒 を短
料 有 効 長 は 約80cmで
料 棒 の 濃 縮 度 は3.7wt%,
化 度 は7.0wt%で
験 で 使用 した燃 料
標 準17×17PWR燃
剰 反 応 度 を 測 定 す る。 臨 界 質 量 の 測 定 方 法
の 試 験 で の 測 定 に お い て も 同 じで あ る 。 吸 収 材 価 値
Table
1
Core
characteristics
of EPICURE
Core
日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
36
技 術 報 告(石 井,他) Table 2
Fig.
3
Core
configuration
ド状 態 を 模 擬 し て,臨 布,2次
of MISTRAL
core
界 質 量(実 効 増 倍 率),径
Core characteristics of MISTRAL
1
方 向出 力分
元 ボ イ ド価 値 が 測 定 さ れ て い る 。 解 析 対 象 と した
の は,模
擬 ボ イ ド率 が30%と50%の
る 。 な お,2次
Fig. 4
Core configuration of MISTRAL
core 2
体 系での試験 であ
元 ボ イ ド価 値 試 験 で の 基 準 とす る た め,改
め て ボ イ ド率0%の
体 系 で の 試 験 が 行 な わ れ て お り,そ
れ
も解 析 対 象 と した 。
3. MISTRAL試 MISTRAL試
験 験 は,4種
ラ ン 均 質 炉 心,炉 PWRを
類 の 炉 心 か ら成 る 。 炉 心1は
心2と3はMOX均
模 擬 し たMOX炉
を 解 析 対 象 と し た 。Table
質 炉 心,炉
心4は
心 で あ る 。 こ こ で は,炉
心1∼3
ウ
2に 解 析 対 象 と した 各 炉 心 の 特
徴 を 示 す 。 燃 料 棒 ピ ッチ は,炉
心1と2が1.32cm,炉
3が1.39cmで
そ れ ぞ れ5.1, 5.2, 6.2で あ
あ り,H/HMは
る 。 こ れ らの 炉 心 の 炉 心 構 成 をFig. 実 施 さ れ た 試 験 の 中 か ら,基 験,ウ
3∼5に
心
示 す。
準 体 系 試 験,吸
収 材 価値 試
ォー クホ ー ル 価 値 試 験 を 解 析 対 象 と し て 選 択 し た 。
基 準 体 系 試 験 で は,EPICURE試 示 し た 体 系 に お い て,臨
験 と 同 様,Fig.
界 質 量(実 効 増 倍 率),径
3∼5に 方 向 出力
分 布 が 測 定 さ れ て い る 。 吸 収 材 価 値 試 験 で は,Fig. に 示 し た 基 準 体 系 に お い て,中 に 置 換 した 体 系 で,臨 布,吸
央 の 燃 料 棒1本
界 質 量(実 効 増 倍 率),径
3∼5
を吸 収 材 方 向出 力 分
収 材 価 値 が 測 定 さ れ て い る。 解 析 対 象 と し た 吸 収 材
日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.5,
No.
1 (2006)
Fig.
5
Core
configuration
of MISTRAL
core
3
BWR核 は,UO2-Gd2O3,天 縮B4Cで
然B4C(炉
設 計 コー ドに よるMOX臨 心1,
2の み)お よ び90%濃
あ る 。 ウ ォ ー タ ホ ー ル 価 値 試 験 は 炉 心1,
施 さ れ,Fig.
体 系 で,臨
央 の3
を 引 抜 い て ウ ォ ー タ ホ ー ル と した
界 質 量(実 効 増 倍 率),径
方 向 出 力 分 布,ウ
ォー
タホ ー ル 価 値 が 測 定 さ れ て い る。 III.
す る 。 次 に,こ
れ らHINESで
を 用 い て,CERESに
評 価 し た3群
均 質化 断面 積
よ り全 炉 心 体 系 を 対 象 に,2次
元3
群 拡 散 計 算 を 実 施 す る 。 軸 方 向 の 中 性 子 漏 洩 に つ い て は, 軸 方 向 バ ッ ク リ ン グ測 定 値 に よ りマ ク ロ 吸 収 断 面 積 に 漏 れ
吸 収 材 が 装 荷 さ れ た セ ル に つ い て は,吸
し,そ
収 材 と燃 料 棒 が
収材 を 中央 に配 置
の 周 りを 燃 料 棒 が 取 巻 い た3×3あ
る い は5×5の
マ ル チ セ ル 体 系 を 対 象 に し た 計 算 に よ り,そ
設 計 コ ー ドで あ るHINES5∼7)と
用 い た。
HINESは2次
37
隣 接 す る非 均 質 効 果 を 考 慮 す る た め,吸 1. 解 析 手 法
CERES8)を
解析
の 補 正 を す る こ とで 考 慮 した 。
解 析 手 法 と解 析 方 法
本 解 析 で は,BWR核
よびMISTRALの
の 周 り を 水 が 取 り巻 い た 体 系 を 対 象 と し た 解 析 に よ り評 価
2で 実
3, 4に 示 し た 基 準 体 系 に お い て,中
×3の 領 域 の 燃 料 棒9本
界試 験EPICUREお
化 断 面 積 を 評 価 し た 。 ま た,本
元 燃 料 集 合 体 核 設 計 コ ー ドで あ り,核
解 析 は,燃
の3群
均 質
料 棒 セル あ るい
は 吸 収 材 セ ル を 均 質 化 し た 拡 散 計 算 で あ る た め,セ
ル を均
デ ー クラ イ ブ ラ リー はENDF/Bに
基 づ い て い る 。HINES
質 化 した 影 響 と輸 送 効 果 を 考 慮 す る必 要 が あ る。 前 項 で 述
で は,燃
階 に分 け て評 価 す る。
べ た よ う に,HINESで
料 集 合 体 の 核 特 性 を2段
す な わ ち,エ
ネ ル ギ ー 詳 細 群 に よ る 中 性 子 ス ペ ク トル 計 算
は,BWR燃
ニ ア 含 有 燃 料 棒 に 対 して,カ
料 集 合 体 中 の ガ ドリ
ド リニ ア 含 有 燃 料 棒 と通 常 燃
とエ ネ ル ギ ー 少 数 群 に よ る 燃 料 集 合 体 全 体 を 対 象 と し た 中
料 棒 が 隣 接 す る非 均 質 効 果 を考 慮 す る た め,カ
性 子 束 分 布 計 算 で あ る。 さ ら に,中
有 燃 料 棒1本
は,高
速 群 と 熱 群 の2段
階 に 分 け て実 施 す る。 高 速 群 中
性 子 ス ペ ク トル 計 算 で は,燃 燃 料 棒 セ ル を 対 象 に,エ 実 施 す る。 ま た,熱
性 子 ス ペ ク トル 計 算
料,被
覆 管,減
ネ ル ギ ー68群
速 材 か らな る
の衝 突 確 率 計 算 を
群 中性 子 スペ ク トル 計 算 で は,カ
ニ ア を 含 有 し な い 燃 料 棒(以 下,通
ドリ
常 燃 料 棒)に 対 して は,
高速 群 と同 様 の 単 一 燃 料 棒 セ ル 体 系 を 対 象 に,エ
ネル ギー
を 通 常 燃 料 棒8本
突 確 率 計 算 を 実 施 し,さ
ド リニ ア 含
が 取 巻 く体 系 を 対 象 に 衝
ら に セ ル 均 質 化 の 影 響 と輸 送 効 果
を 考 慮 す るた め の 補 正 で あ る 輸 送 拡 散 補 正 を 実 施 し て,そ の 縮 約 均 質 化 断 面 積 を 評 価 す る 。 し か し,HINESは, BWR燃
料 集 合 体 を 対 象 と し た 解 析 コー ドで あ る た め,そ
の 補 正 を 試 験 を 実 施 した 全 て の 吸 収 材 に 適 用 す る こ と が で き な い 。 そ こ で,本
試 験 解 析 に お い て は,HINESで
ガ ド
30群 の 衝 突 確 率 計 算 を 実 施 す る 。 ガ ド リ ニ ア を 含 有 す る
リニ ア 含 有 燃 料 棒 に対 し て 実 施 して い る 輸 送 拡 散 補 正 と同
燃 料 棒 に 対 して は,ガ
じ考 え 方 の 補 正 を 別 途 実 施 す る こ と と し た 。 す な わ ち,同
ド リ ニ ア 含 有 燃 料 棒 と通 常 燃 料 棒 が
隣 接 す る非 均 質 の 効 果 を考 慮 す る た め,ガ 料 棒1本
を 通 常 燃 料 棒8本
ド リニ ア 含 有 燃
が 取 巻 く体 系 を 対 象 に,エ
ル ギ ー30群 の 衝 突 確 率 計 算 を 実 施 す る 。 さ ら に,水 ップ や チ ャン ネル ボ ッ ク ス,水
ロ ッ ドの 存 在,燃
ネ
ギ ャ
料 棒 の集
じマ ル チ セ ル 体 系 を 対 象 と し た 非 均 質 輸 送 計 算 を 別 途 実 施 し,同
じ マ ル チ セ ル 体 系 に お け るCERESに
よる均 質拡 散
計 算 で の 吸 収 材 セ ル と燃 料 棒 セ ル の 反 応 率 の 比 が,非
均質
輸 送 計 算 の そ れ と一 致 す る よ う に,CERESに
よ る均 質 拡
合 体 内 位 置 依 存 性 を 考 慮 す る た め に,燃 料 集 合 体 を 模 擬 し
散 計 算 を 繰 返 し実 施 し,CERESに
均 質 化断 面
た 体 系 を 対 象 に エ ネ ル ギ ー30群 の 衝 突 確 率 計 算 を 実 施 す
積 を 補 正 した 。 参 照 す る 非 均 質 輸 送 計 算 に は,モ
る。
ロ 法 に よ る燃 料 集 合 体 核 特 性 解 析 コ ー ドVMONT9)を
用い
た 。VMONTは
の群
次 に,燃
料 集 合 体 全 体 を 対 象 に,エ
ネ ル ギ ー3群
散 計 算 を 実 施 し中 性 子 束 分 布 を 評 価 す る。 な お,輸 を 考 慮 す る た め に,上
述 の 中 性 子 スペ ク トル 計 算 で 評 価 し
た 縮 約 均 質 化 断 面 積 を,輸 CERESは,2次
の拡 送効 果
送 拡 散 補 正 して 用 い る 。
元 拡 散 コ ー ド で あ る 。HINESな
評 価 し た 少 数 群 核 定 数 を 用 い て,拡
どで
散 計 算 を実 施 す る。
セ ル と そ れ を 取 り 囲 む1層
料 集 合 体 を 対 象 と した 解 析 コ ー ドで
あ るた め,試
験 体 系 全 体 を そ の ま ま解 析 す る こ とは で きな
種 類,エ
均 質 化 断 面 積 は,吸
の 燃 料 棒 セ ル(8本)に
ネ ル ギ ー 群 に よ り異 な る が,お
収材
用 い た。 心,吸
収材
お む ね0.8∼1.0程
度 で あ る。 ウ ォ ー タホ ー ル と し た セ ル に つ い て は,3×3の タ ホ ー ル セ ル を 燃 料 棒 が 取 り巻 い た5×5の
解 析 で は,HINESに
おけ るエ ネルギ ー
系 を 対 象 に し た 計 算 に よ り,そ
3群 拡 散 計 算 の 代 替 と し て,CERESを
用 い て試 験 体 系 全
価 し た 。 ま た,吸
体 を 対 象 と した 解 析 を 実 施 す る 。
ンテ カル
多 群 モ ン テ カ ル ロ コ ー ドで あ り,そ で あ る。 補 正 し た3群
補 正 因 子(補 正 後 と補 正 前 の 断 面 積 の 比)は,炉
HINESは,BWR燃
い 。 そ の た め,本
数 は190群
用 い る3群
の3群
収 材 セ ル と同 様 の,輸
ウ ォー
マ ルチ セ ル体
均 質化 断 面 積 を評 送効 果 を考 慮 す る
補 正 を した。 2次 元 ボ イ ド価 値 試 験 に お け る ボ イ ドを 模 擬 した 燃 料 棒
2. 解 析 方 法 ま ず,HINESに
セ ル に つ い て は,ボ よ り,燃
料 ペ レ ッ ト,被
覆 管,オ
ー
い た め,単
イ ド模 擬 の 領 域 が7×7と
比 較 的大 き
位 燃 料 棒 セ ル 体 系 で 評 価 し た3群
均質化断面
バ ー ク ラ ッ ドお よ び 減 速 材 か ら な る 単 位 燃 料 棒 セ ル 体 系 を
積 に,別
対 象 に,3群
面 積 の 位 置 依 存 性 は,以
均 質 化 断 面 積 を 評 価 す る 。 炉 心 周 辺 の 水 の3
群 均 質 化 断 面 積 に つ い て は,燃
料 棒 を9×9に
配 置 し,そ
途 評 価 し た 位 置 依 存 性 を 補 正 し た 。3群 均 質 化 断 下 の 方 法 で 評 価 し た 。 ま ず,7×
7の ボ イ ド模 擬 領 域 を 通 常 の 燃 料 棒 が 取 り巻 い た15×15の 日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
38
技 術 報 告(石 井,他)
マ ル チ セ ル 体 系 を 対 象 に,VMONTに 均 質 化 断 面 積 を 評 価 し,各 系 で の3群
よ り各 セ ル の3群
(2)
セ ルに お け る単位燃 料 棒 セ ル体
均 質 化 断 面 積 と の 比 を 求 め る 。 次 に,そ
の比
を 上 述 の 単 位 燃 料 棒 セ ル 体 系 で 評 価 し たHINESの3群
均
径方 向 出 力分布
EPICURE
UH1.2炉
心 の 基 準 体 系 試 験 に お け る,炉
の 対 角 線 方 向 の 径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 比 較 を Fig. 6に 示 す 。 ま た,計
算 値 と測 定 値 の 差 をFig.
質 化 断 面 積 に 乗 ず る こ と に よ り,輸 送 効 果 を 考 慮 した 位 置
す 。 さ ら に 同 様 に,EPICURE
依 存 の3群
TRAL炉
均 質化 断面 積 を評 価 す る。
心1∼3の
MH1.2炉
解
析
結
果
示 す 。 な お,比
7に 示
心 お よ びMIS-
基 準 体 系 試 験 に お け る,対
角線 方 向の
径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 比 較 をFig. IV.
心
8∼15に
較 す る 全 燃 料 棒 の 出 力 の 平 均 値 が,測
定値
1. 基 準 体 系 試 験
と 計 算 値 そ れ ぞ れ で1.0に な る よ う に 規 格 化 し て い る 。 測
(1)
定 誤 差 は,UO2燃
臨 界 固有 値
本 解 析 で は,臨
界 状 態 か ら微 調 整 棒 を 全 引 抜 き と し た 若
干 超 臨 界 の 体 系 を 対 象 と し て,実
効増 倍 率 を評価 した。 そ
の 実 効 増 倍 率 か ら測 定 さ れ た 余 剰 反 応 度 を 差 し引 き,臨
界
状 態 に 対 す る 実 効 増 倍 率(臨 界 固 有 値)を 求 め た 。EPICUREお
よ びMISTRAL試
験 で の基 準 体 系 試験 に おけ る
臨 界 固 有 値 をTable
3に 示 す 。 全 体 的 に 過 大 評 価 で あ
り,ま た,全MOX炉
心 で あ るMISTRAL炉
心2,炉
心3
る。 ま た,MH1.2炉
に,い
央 のMOX燃
あ
料 を装 荷 し
ず れ の 炉 心 に お い て も,計 算 値 は 測 定 値 を よ く再 現
対 角 線 方 向 の 径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 二 乗 平 均 平 方 根 の 差(以 下,平
均 自 乗 差 と記 す)をTable
す 。 計 算 値 と 測 定 値 の 平 均 自乗 差 は,EPICURE
さ ら に,MOX炉
心 で 比 較 す る と,EPICURE
炉 心2で1.4%,炉
心,MISTRAL炉
心2,炉
MH1.2炉
料 棒 で1.5%で
で きてい る。
炉 心 とMH1.2炉
順 に 高 くな る 。 しか し,
心 で は,中
MOX燃
た 領 域 の み で 出 力 分布 が 測 定 さ れ て い る。 図 に示 す よ う
の 臨 界 固 有 値 を 他 の 炉 心 に 比 べ 高 く評 価 す る 傾 向 が あ る 。
心3の
料 棒 で1.0%,
心 で1.0%,
MISTRAL炉
心3で1.6%で
で あ る こ とを 考 慮 す る と,い
4に 示 UH1.2
心1で1.3%,
あ る 。 測 定 誤 差 が1.5%
ず れ の 炉 心 に お い て も計 算 値
こ の よ う な 臨 界 固 有 値 の 傾 向 は 本 解 析 だ け で は な く,(財)原 子 力 発 電 技 術 機 構(NUPEC)で
実 施 さ れ た 解 析 で も同 様 の
傾 向 が 報 告 さ れ て い る4,10)。NUPECで
は,詳
細 解 析 コー
ドで あ る 連 続 エ ネ ル ギ ー モ ン テ カ ル ロ コ ー ドMVP11)に り,様
々 な 核 デ ー タラ イブ ラ リー(JENDL-3.2,
3.3, JENDL-3.1,
ENDF/B-VI,
実 施 し て い る が,す
こ で は,そ
MH1.2炉
心1か
心3と
ら炉 心3ま
お け るEPICURE試 で の範 囲 で の臨 界 固
有 値 の 最 大 と 最 小 の 差 は,JENDL-3.2で JENDL-3.3で
約0.9%Δk,
る4,10)。し た が っ て,炉 は 本 解 析 とMVPと あ るMVPで
ENDF/B-VIで
約0.5%Δk, 約0.8%Δkで
Fig.
6
Radial EPICURE
あ
power
distribution
of reference
experiment
in
UH1.2
心 間 にお け る臨 界 固 有値 の 変動 量
で ほ ぼ 同 等 で あ り,詳 細 解 析 コ ー ドで
の 臨 界 固 有 値 の 傾 向 と本 解 析 で の 傾 向 は 整 合
し て い る と い え る。 ま た,臨 は,本
最 も低
心 と の 臨 界 固 有 値 の 差 は,約0.7
あ る 。 そ れ に 対 し,MVPに
験 とMISTRAL炉
の
よ る 解 析 値 と比 較 す る。 本 解 析 に お
も 臨 界 固 有 値 の 高 いMISTRAL炉
いEPICURE %Δkで
用 いて解 析 を
べ て の ラ イ ブ ラ リー に お い て 本 解 析 と
のMVPに
い て,最
JENDL-
JEF-2.2)を
同 様 な 傾 向 を 生 じ て い る 。 そ こ で,こ NUPECで
よ
解 析 はJENDL-3.2を
お お む ね0.2%Δk以
界 固 有値 の絶 対値 に つ い て 用 い たMVPに
よる解 析 値 と
内 で 一 致 し て い る4,10)。
Table 3 Critical keffa) (reference experiments)
Fig. 7
Difference of power distributionbetween calculation and measurement
日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
BWR核
設 計 コー ドに よ るMOX臨
界 試験EPICUREお
Fig. Fig. 8
Fig. 9
Radial
power
distribution
EPICURE
MH1.2
Difference
of power
of reference
distribution between
experiment
and
Fig.
Fig.
Radial power MISTRAL
Difference
解析
of power
distribution of reference experiment
distribution
ラ ン 炉 心 とMOX
炉 心 で 解 析 精 度 は ほ ぼ 同 等 で あ る。
12
13
in
Radial
power
distribution
MISTRAL
core 2
Difference
of power
of reference
distribution
experiment
between
お け る 吸 収 材 価 値 試 験 で の 臨 界 固 有 値 を,基 比 較 し てTable
5に 示 す 。 な お,EPICURE
い 。 表 に 示 す よ う に,基
吸収材 価値 試 験
炉 心2と
臨 界固 有 値
EPICURE
calculation
in
calculation
and measurement
に お け る 吸 収 材 価 値 試 験 で は,臨
(1)
between
measurement
core 1
は 測 定 値 と よ く一 致 し て い る。 ま た,ウ
2.
39
calculation and
measurement
Fig. 10
11
in
よびMISTRALの
MH1.2炉
心 お よ びMISTRAL炉
心1∼3に
炉 心3の
準体 系試 験 と UH1.2炉
心
界 質量 は 測定 され てい な
準 体 系 試 験 と 同 様,MISTRAL
臨 界 固 有 値 を 他 の 炉 心 に 比 べ 高 く評 価
す る傾 向 に あ る 。 し か し,各
吸 収 材 に つ い て,EPICURE
日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
40
技 術 報 告(石 井,他)
Table 4
Root mean square difference(%) of power distribution between calculationand measurement (referenceexperiments)
Table 5
Fig. 14
Radial power MISTRAL
distribution of reference experiment
Critical keff(absorberworth experiments)
in
core 3
Table 6
Root mean
square difference (%) of power
bution between
distri-
calculation and measurement
(ab-
sorber worth experiments)
Fig.
15
Difference and
MH1.2炉 心2で
of power
distribution
between
心 で は0.01%Δk以 は0.05%Δk以
内,MISTRAL炉
内,炉
心3で
心1と
は0.06%Δk以
体 系 試 験 と よ く一 致 して い る 。 し た が っ て,ウ MOX炉
calculation
measurement
心 と も,吸
炉
内 で基 準 ラ ン 炉 心,
収 材 を 装 荷 した 体 系 に お い て 臨 界 固 有
値 を 精 度 良 く評 価 で き て い る と い え る。 (2)
径 方 向 出力 分 布 角 線方 向の径 方 向 出力 分布
の 計 算 値 と測 定 値 の 平 均 自 乗 差 を,基
い て は,測
6に 示 す 。 な お,基
準 体 系 試 験 と比 較 し
準 体 系 試 験 以 外 の 試験 にお
定 され た 全 燃 料 棒 の 出 力 の 平 均 値 が,測
定値 と
計 算 値 そ れ ぞ れ で1.0と な る よ う に 規 格 化 して い る。 ま た, EPICURE
UH1.2炉
心 のUO2-Gd2O3試
心 の 天 然B4C試 験 で は,出
い 。 表 に 示 す よ う に,吸
験 に お け る,対
角 線 方 向の 径 方 向 出 力 分布 の 計
算 値 と測 定 値 の 比 較 をFig. に,吸
16∼19に
示 す。 図 に 示 す よ う
収 材 が 装 荷 さ れ た 体 系 に お い て も,計
算値 は測定 値
を よ く再 現 で きて い る 。 以 上 よ り,本
核 設 計 コ ー ドは,吸
収 材 が 装 荷 さ れ た 体 系 に 対 して も,吸
収 材 を 装 荷 しな い 基
準 体 系 と 同等 の 解 析 精 度 を 有 し て い る と い え る。
吸 収 材 価 値 試 験 に お け る,対
てTable
縮B4C試
験 お よ びMH1.2炉
心1で
準 体系 試験
測 定 値 と の 平 均 自乗 差
が 若 干 大 き く な る 傾 向 に あ る が,2.0%以
吸 収材 価値 7に,吸
示 す 。 な お,表 す よ う に,計 心 で5%以
収 材 価 値 の 計 算 値 と測 定 値 の 比(C/E)を 中 の括 弧 内の 値 は測 定誤 差 で あ る。表 に示
算 値 と 測 定 値 の 差 は,EPICURE
内,MH1.2炉
と炉 心2で3%以
力分布 は測定 されて いな
収 材 価 値 試 験 で は,基
と 比 較 し て,MISTRAL炉
(3) Table
内 で 測 定 値 と一
心 で1%以
内 で あ り,こ
収 材 に お い て も,計
と,こ
心1
れ らの炉 心 で は いず れの 吸
算 値 は 測 定 値 とほ ぼ 測 定 誤 差 の 範 囲 内
で 一 致 し て い る 。 炉 心3のUO2-Gd2O3価 と 測 定 値 に11%の
UH1.2炉
内,MISTRAL炉
差 が あ る が,測
値 で は,計 定 誤 差8%を
算値
考慮する
れ も ほ ぼ 測 定 誤 差 の 範 囲 内 で 一 致 し て い る とい え
致 し て い る 。 そ れ 以 外 の 炉 心 に お け る 測 定 値 との 平 均 自乗
る。 ま た,炉
差 は,EPICURE
差 は0.02%Δk/kk'と
小 さ く,解
析精 度 上 問 題 に は な らな
い 。 一 方,炉
濃 縮B4C価
値 に つ い て は ,計
て0.9%以
内,炉
MH1.2炉
心 で1.2%,
心3で1.5%以
MISTRAL炉
心2
内 で あ り,基 準 体 系 試 験 と
ほ ぼ 同 等 で あ る 。 こ れ ら の 試 験 の う ち,EPICURE MH1.2炉
心 の 天 然B4C試
験 とMISTRAL炉
日本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
心1∼3の
心3のUO2-Gd2O3価
心3の
測 定 値 の 差 は5%で 濃
よ り,吸
あ り,測
収 材 の 違 い,あ
値 の 計 算 値 と測定 値 の
算値 と
定 誤 差 の 範 囲 内 で あ る。 以 上
る い は ウ ラ ン 炉 心 とMOX炉
心
BWR核
Fig. 16
Fig. 17
設 計 コー ドに よるMOX臨
界 試験EPICUREお
Radial power distributionof absorber worth experiment
Fig. 18
(natural B4C) in EPICURE
(enriched B4C) in MISTRAL
MH1.2
Fig. 19
(enriched B4C) in MISTRAL
(enriched B4C) in MISTRAL
core 1
Comparison
between calculated and measured
で,解 析 精 度 に 有 意 な 差 は な い と い え る 。
臨界 固有 値
MISTRAL炉
心1,
Radial power distributionof absorber worth experiment core 3
values for absorber worth (C/E)
径 方向 出 力分 布 角線 方 向の 径方 向
出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 平 均 自乗 差 を,基 2に お け る ウ ォー クホ ー ル 価 値 試 験 準 体 系 試 験 と 比 較 し てTable
示 す 。 表 に 示 す よ う に,基 比 べ 炉 心2の
core 2
ウ ォー タ ホ ー ル 価 値 試 験 に お け る,対
ウ ォー タ ホ ー ル 価 値 試 験
で の 臨 界 固 有 値 を,基
41
で きて い る 。 (2)
(1)
解析
Radial power distributionof absorber worth experiment
Radial power distributionof absorber worth experiment
Table 7
3.
よびMISTRALの
準 体 系 試 験 と 同 様,炉
8に
あ り,炉
心1に
基 準 体 系 試 験 と一 致 し て い る。 した が っ て,ウ ル を設 置 し た 体 系 に お い て も,臨
心2で
炉 心1で が,炉
臨 界 固 有 値 を 高 く評 価 す る 。 し か し,炉 心1
で の 基 準 体 系 試 験 と の 差 は0.02%Δkで
と比 較 してTable
は
ォー タホ ー
界 固 有 値 を 精 度 よ く評 価
測 定 値 との 平 均 自乗 差 が2.6%と 心2で
る。 ま た,対 の 比 較 をFig.
準 体 系試 験
9に 示 す 。 表 に 示 す よ う に,MISTRAL
は0.5%と
若 干 大 き くな る
非 常 に よ く測 定 値 と一 致 して い
角 線 方 向 の 径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 20, 21に 示 す 。 図 に 示 す よ う に,い
炉 心 に お い て も,計
ず れの
算 値 は ウ ォー タ ホ ー ル を 設 置 し た こ と
に よ る 出 力 分 布 の 歪 み を よ く再 現 で きて い る 。 日本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
42
技 術 報 告(石 井,他) Table 8
Criticalkeff(water hole worth experiments)
Table 10
Comparison
between
calculated and measured
values for water hole worth (C/E)
Table 9
Root mean square difference(%) of power distribution between calculationand measurement
Table 11
Criticalkeff(2D void worth experiments)
(water holeworth experiments)
Table 12 Root mean square difference(%) of power distributionbetween calculation and measurement (2D void worth experiments)
Fig. 20
Radial power distribution of water hole worth experiment in MISTRAL
core 1
が,い
ず れ も測 定 誤 差 の 範 囲 内 で 計 算 値 は 測 定 値 と一 致 し
て い る。 し た が っ て,ウ
ラ ン 炉 心 とMOX炉
心 で解 析精 度
に 有 意 な 差 は な い とい え る。
4.2
次 元 ボ イ ド価 値 試 験
(1)
臨界 固 有値
EPICURE
UH1.2炉
心 お よびMH1.2炉
心 に お け る2次
元 ボ イ ド価 値 試 験 で の 臨 界 固 有 値 を,基 してTable
11に 示 す 。UH1.2炉
準 体 系 試 験 と0.11%Δkの
準 体 系 試 験 と比 較
心 の50%ボ
イ ド試 験 で 基
差 が あ る が,MH1.2炉
心 では
0.04%Δk以
内 で 基 準 体 系 試 験 と よ く一 致 し て い る 。 し た
が っ て,ボ
イ ドを模 擬 した 領域 を設 置 した 体 系 に お い て
も,臨 界 固 有 値 を 精 度 よ く評 価 で きて い る とい え る。 Fig. 21
Radial power distribution of water hole worth experiment in MISTRAL
core 2
(2)
径 方 向出 力分 布
2次 元 ボ イ ド価 値 試 験 に お け る,対
角 線方 向の 径方 向出
力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 平 均 自乗 差 を,基 比 較 してTable (3) Table 比(C/E)を
験 と比 較 して,測
ウ ォー タ ホ ー ル 価 値 10に,ウ
ォ ー タ ホ ー ル 価 値 の 計 算 値 と測 定 値 の
示 す 。 な お,表
中の 括弧 内の値 は測定 誤 差 で あ
る 。 表 に 示 す よ う に,MISTRAL炉 炉 心2で0.94と,ど
心1でC/Eが0.92,
ち らの 炉 心 と も過 小 評 価 の 傾 向 で あ る
日 本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
準 体 系試
定 値 との 平 均 自 乗 差 が 若 干 大 き く な る傾
向 に あ る が,EPICURE 1.6%以
準 体 系試験 と
12に 示 す 。 表 に 示 す よ う に,基
UH1.2炉
心,MH1.2炉
内 で 測 定 値 と一 致 し て お り,測
心 とも
定 誤 差 を考 慮 す る
と 良 好 な 解 析 精 度 で あ る とい え る 。50%ボ
イ ド試 験 に お
け る 対 角 線 方 向 の 径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 比 較
BWR核
設計 コー ドに よるMOX臨
界試 験EPICUREお
よびMISTRALの
Table 13
Comparison
解析 between
43
calculated and
measured
values for 2D void worth (C/E)
Table
Fig. 22
Critical keff
Radial power distributionof 2D void worth experiment (50%)
Fig. 23
in EPICURE
UH1.2
Radial power distributionof 2D void worth experiment (50%)
をFig.
14
in EPICURE
Table 15
Root mean
square difference (%) of power distri-
bution between calculation and measurement
MH1.2
22, 23に 示 す 。 図 に 示 す よ う に,計
算値 はボ イ ド
模 擬 領 域 に お け る 出 力 分 布 の 歪 み を よ く再 現 で き て い る。 (3)
2次 元 ボ イ ド価 値
Table
13に,2次
(C/E)を
元 ボ イ ド価 値 の 計 算 値 と測 定 値 の 比
示 す 。 な お,表
中 の括 弧 内 の値 は測 定 誤 差 で あ
る 。 表 に 示 す よ う に,EPICURE 1.03と1.01,
MH1.2炉
UH1.2炉
心 でC/Eが
心 で1.02と1.04と,ど
も過 大 評 価 の 傾 向 が あ る が,計
ち らの 炉 心 と
算 値 と測 定 値 は 測 定 誤 差 の
範 囲 内 で 一 致 し て い る 。 し た が っ て,ウ
ラ ン 炉 心 とMOX
炉 心 で 解 析 精 度 に 有 意 な 差 は な い と い え る。 固 有 値 の 炉 心 ご と の 平 均 値 か ら の 差 は0.1%Δk以 5. ま と め
る 。 ま た,炉
(1)
CURE
臨 界固 有値
Table
14に,こ
れ まで に述 べ た 各炉 心 の 各試 験 に おけ
る 臨 界 固 有 値 と,各
炉 心 ご と の 臨 界 固 有 値 の 平 均 値 お よび
標 準 偏 差 を 示 す 。 表 に 示 す よ う に,全 り,さ ら に,ウ
ラ ン炉 心 に 比 べ 全MOX炉
あ る 。 し か し,こ MVPで
心 で 高 い傾 向 が
の よ う な 傾 向 は 詳 細 解 析 コ ー ドで あ る
も生 じ て お り,炉
量 もMVPと
体的 に過大 評価 であ
心 間 に おけ る臨界 固 有値 の変 動
ほ ぼ 同 等 で あ る 。 一 方,各
UH1.2炉 ドは,臨 とMOX炉
UH1.2炉
下 であ
心 ご と の 臨 界 固 有 値 の 標 準 偏 差 も,EPI心 以 外 で は0.03%以
心 で も0.07%で
下 と非 常 に 小 さ く,
あ る。 以 上 よ り,本
界 固 有 値 に 関 して,絶
対値 につ いて は ウ ラン炉 心
心 で 差 が 生 じ る もの の,そ
詳 細 解 析 コ ー ドで あ るMVPと
核設 計コー
の炉 心 間の 変動 量 は
ほ ぼ 同 等 で あ り,同 一 炉 心
で の 各 試 験 間 の 差 に つ い て はMOX炉
心 に 対 して も ウ ラ ン
炉 心 と 同 等 の 解 析 精 度 を 有 して い る こ と が 確 認 で き た 。
試験 に おけ る臨 界 日本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
5, No.
1 (2006)
44
技 術 報 告(石 井,他) Table 16
(2)
Comparison
between calculated and measured
values for reactivityworth (C/E)
した体系,あ るい は ボ イ ドを模擬 した領 域 を設 置 した 体系
径方 向 出 力分 布
こ れ ま で に 述 べ た 各 炉 心 の 各試 験 に お け る,対
角線 方 向
に おい て も,臨 界 固有 値 を精 度 良 く評価 で きる こ とを確認
の 径 方 向 出 力 分 布 の 計 算 値 と測 定 値 の 平 均 自乗 差 をTable
で きた。 径 方 向出 力分 布 につ い ては,い ず れ の炉 心 にお い
15に
て も,計 算 値 と測 定 値 の平 均 自乗 差 が ほ ぼ2%以
ま と め て 示 す 。 表 に 示 す よ う に,計
平 均 自 乗 差 ほ ぼ2%以 MOX炉
算 値 と測 定 値 は
内 で 一 致 し た 。 ま た,ウ
ラン炉 心 と
(3)
らに,上 記 の 臨界 固有 値(同 一炉 心 での 各試 験 間 の差),径
反 応度 価 値 16に,こ
れ ま で に 述 べ た 吸 収 材 価 値,ウ
ホ ー ル 価 値 お よ び2次 比(C/E)を
ォー タ
元 ボ イ ド価 値 の 計 算 値 と 測 定 値 の
ま とめ て 示 す 。 な お,表
誤 差 で あ る 。 表 に 示 す よ う に,吸 ル 価 値 お よ び2次
した。 また,反 応 度価 値 に つい ては,い ず れ の炉 心 にお い て も,計 算値 と測定 値 は ほぼ 測定 誤 差 以 内で一 致 した。 さ
心 で有 意 な差 は な い。
Table
方 向 出力分 布 お よび反 応 度価 値 の解 析結 果 に 関 して,ウ ラ ン炉 心 とMOX炉
収 材 価 値,ウ
ォー タ ホ ー
元 ボ イ ド価 値 の い ず れ に つ い て も,計
心 で有意 な 差 は なか った。
以上 に よ り,BWR核
中 の括 弧 内の 値 は測定
設 計 手 法 は,MOX炉
ウ ラ ン 炉 心 とMOX炉
心 で,有
設 計 コ ー ドは,反
きた。 ― 参考 文献 ―
意 な差 は な い。 した が っ
応 度 価 値 に 関 し て,MOX炉
心に
1)
対 し て もウ ラ ン 炉 心 と同 等 の 解 析 精 度 を 有 して い る と い え
M.
Tamitani,
ed
oxide
codes
る。
MOX炉
結
心 に 対 す るBWR核
て,MOX燃 TRALをBWR核
2)
言 設 計手 法 の 検証 を 目的 とし
料 を 用 い た 臨 界 試 験EPICUREお
3)
よ びMIS-
設 計 コ ー ドに よ り解 析 した 。EPICURE
り,基
ラ ン 炉 心 お よ び 部 分MOX炉
準 体 系 試 験,吸
心での試験 であ
収 材 価 値 試 験 お よ び2次
価 値 試 験 を 解 析 し た 。 ま た,MISTRAL試 の ウ ラ ン 炉 心 お よ び 全MOX炉 系 試 験,吸
元 ボ イド
神 田 啓 治,山
験 は,高
心 で の 試 験 で あ り,基 準 体
reactor,"
J. Nucl.
徹,松
S. Cathalau,
et al., "MISTRAL:
in the EOLE
facility
on
Physics
1996,
devoted
of Reactor,
Vol.
H,
石 井 一 弥,巽
p. 84
An
雅 洋,菅 解 析,"日
心 間 におけ る臨界 固有 値 の変 動 量
sis
ほ ぼ 同 等 で あ る。 一
Morimoto, code
10)
心毎
べ て の 炉 心 で0.07%Δk以
1 (2006)
16-
料 炉 物 理 試 験 [1],
39
fuel
Nucl.
石 井 一 弥,安
Maruyama, assembly Sci. Eng.,
(1977). (1999).
K.
Ishii, et al., "Neutronic
using 103,
a
351
vectorized
藤 良 平,高
田 直 之,他,"高 解 析,"日
森
[1],
貴 正,中
45
analy-
monte
減 速BWR全MOX 本 原 子 力 学 会 和 文 論
(2005).
川 正 幸,JAERI-Data/Code
carlo
(1989).
燃 料 炉 物 理 試 験BASALAの 文 誌,4 11)
H.
for
method,"
5, No.
Int.
Sept.
(2003).
(1979).
日本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,Vol.
Proc.
Japan,
太 郎,他,"MOX燃
Y.
ォ ー タホ ー ル を 設 置
Mito,
programme
physics,"
本 原 子 力 学 会 和 文 論 文 誌,2
(株)日 立 製 作 所,HLR-031,
下 で あ り,吸 収 材 を 装 荷 し た 体 系,ウ
本 原
(1996).
9)
の 臨 界 固 有 値 の 標 準 偏 差 は,す
core
Physor'96,
8)
内 で 一 致 し た 。 ま た,炉
料 炉 物 理 試 験
experimental
to MOX
心
準 体 系 試 験 と ほ ぼ0.1%Δk以
37 [3],
(1998).
(1999).
試 験 での 臨 界固 有値 は基
Technol.,
834
[11],
(株)日立 製 作 所,HLR-066,
れ ぞ れ の 炉 心 に お い て,各
analysis
子 力 学 会 誌,40
7)
細 解 析 コ ー ドで あ るMVPと
Sci.
浦 秀 文,他,"MOX燃
(株)日立 製 作 所,HLR-052訂1,
ラ ン 炉 心 に 比 べ 全MOX炉
of mix-
neutronics
ト ニ ウ ム の 有 効 利 用 に 向 け て,"日
(株)日立 製 作 所,HLR-005,
臨 界 固 有 値 に つ い て は,ウ
方,そ
with
6)
解 析 した。
は,詳
Ishii, et al., "Analysis
5)
収 材 価 値 試 験 お よび ウ ォー タホ ー ル 価 値 試 験 を
で 高 い 傾 向 が あ る が,炉
water
本
MISTRALの
減速
K.
experiments
と 解 析 の 現 状 ― プ ル
20, 4)
Maruyama,
critical
(2000).
Conf.
試 験 は,ウ
H.
fuel
for boiling
316
V.
心 に対 して
もウ ラン炉 心 と同等 の解 析精 度 を有 して い る こ とが確 認 で
算 値 は 測 定 値 とほ ぼ 測 定 誤 差 の 範 囲 内 で 一 致 し た 。 ま た,
て,本
内で一 致
94-007,
(1994).